..2 掃き出し法

●掃き出し法●

 次の連立方程式を掃き出し法で解いてみよう。

                            { y+z=4 x+yz=3 2xyz=2 ( 0 1 1 1 1 1 2 1 1 )( x y z )=( 4 3 2 )

そこで,連立方程式の係数部分だけ取り出した行列を考えてみよう。

                            ( 0 1 2 1 1 1 1 1 1 4 3 2 )

この行列の ( 1 1 ) 成分を1にするために1行目と2行目を入れ替えた後  ( 1 1 ) ( 2 2 ) ( 3 3 )の各成分をかなめとして第12 3列を順に掃き出す。

( 1 0 2 1 1 1 1 1 1 3 4 2 )

          ( 1 1 )をかなめとして第1列を掃き出す。

( 1 0 2 1 1 3 1 1 1 3 4 4 )

          ( 2 2 )をかなめとして第2列を掃き出す。

( 1 0 0 0 1 0 2 1 4 1 4 8 )

          3行目を4で割った後に  ( 3 3 )をかなめとして第3列を掃き出す。

     ( 1 0 0 0 1 0 0 0 1 3 2 2 )

 この行列は

( 1 0 0 0 1 0 0 0 1 3 2 2 )( 1 0 0 0 1 0 0 0 1 )( x y z )=( 3 2 2 )

と同じことを意味するので,x = 3 y = 2 z = 2と答えが求まるのである。

1行をもとにしてその定数倍をその他の行から引くことにより ( 2 1 )成分および( 3 1 )成分を0にする変形を  ( 1 1 )をかなめとして第1列を掃き出すという。 のような解法を掃き出し法という。

 さて掃き出し法では,3つの操作が重要であり,それを基本変形という。

(1)2つの行どおしで入れ替える

(2)1つの行に0でない数を掛ける。

(3)1つの行に他の行の実数倍を加える。


●消去法と掃き出し法の比較●

次の連立方程式を消去法と掃き出し法で比較しながら解いてみよう。

                { 3x+6y+9z=60 2x+7y3z=13 3x+8y+2z=38  

 


消去法

{ 3x+6y+9z=60 ( 1 ) 2x+7y3z=13 ( 2 ) 3x+8y+2z=38 ( 3 )

を変形して以下のようになるとよい。

{ 1x+0y+0z=p ( 1 ) 0x+1y+0z=q ( 2 ) 0x+0y+1z=r ( 3 )

(1)式を3で割ってxの係数を1にする。

{ x+2y+3z=20 ( 1 ) 2x+7y3z=13 ( 2 ) 3x+8y+2z=38 ( 3 )

(2) -  (1)×2

(3) -  (1)×3

{ x+2y+3z=20 ( 1 ) 0x+3y9z=27 ( 2 ) 0x+2y7z=22 ( 3 )

(2)÷ 3

{ x+2y+3z=20 ( 1 ) 0x+1y3z=9 ( 2 ) 0x+2y7z=22 ( 3 )

(1) - (2)×2

(3) - (2)×2

{ x+0y+9z=38 ( 1 ) 0x+1y3z=9 ( 2 ) 0x+0yz=4 ( 3 )

(3)÷( -1)

{ x+0y+9z=38 ( 1 ) 0x+1y3z=9 ( 2 ) 0x+0y+z=4 ( 3 )

(1) - (3)×9

(2) - (3)×(-3)

{ 1x+0y+0z=2 ( 1 ) 0x+1y+0z=3 ( 2 ) 0x+0y+1z=4 ( 3 )

解はx = 2 y = 3 z = 4 である。

 

 

 

 

 

掃き出し法

( 3 2 3 6 7 8 9 3 2 60 13 38 )

以下の形になると解けたことになる。

( 1 0 0 0 1 0 0 0 1 p q r )

↓ (第1行)÷3

  ( 1 2 3 2 7 8 3 3 2 20 13 38 )

(2) - (1)×2

(3) - (1)×3

( 1 0 0 2 3 2 3 9 7 20 27 22 )

(2) ÷ 3

( 1 0 0 2 1 2 3 3 7 20 9 22 )

(1) - (2)×2

(3) - (2)×2

( 1 0 0 0 1 0 9 3 1 38 9 4 )

(3)÷( -1)

( 1 0 0 0 1 0 9 3 1 38 9 4 )

(1) -(3)×9

(2) - (3)×(-3)

( 1 0 0 0 1 0 0 0 1 2 3 4 )

解はx = 2 y = 3 z = 4 である。


 以上のことから 掃き出し法による連立方程式の解法は 係数だけに着目し計算の手順を明確にしたものということができ,本質的に消去法と同じである。